白山写真ギャラリー

写真集 白山 の出版を決めたこと 2001/03/05

ぱっとしなかった第1回個展の後、私の撮影は変わりました。
困難さ故に避けていた厳冬の白山ですが、その年の暮れから正月にかけて撮影を行いました。また春には、試行錯誤の上、雄谷源流に入山して撮影を行いました。
困難な条件で撮影を行ったのは、奇をてらうためではありません。白山の本当の姿をとらえるためには、厳冬の山頂に立ち、未開のブナ林に立ち入る必要があると思ったからです。それがどんなに困難でも、他のもので代用することはできないという気持ちからです。変わったのは撮影場所だけではありません。自分の写真の評価は、思い入れから甘くなりがちですが、妥協を許さず厳しく行うようになりました。

そうして、第1回個展の翌年1996年の夏、福井県で2回目の個展を行いました。
結果は十分ではありませんでしたが、ある程度の手応えを感じることができました。
それ以降、「おごらず逃げず諦めず」といった感じで白山に対峙してきました。
客観的に見れば、高山帯としては小規模な白山ですが、周辺には未開の渓谷やブナ林、尾根が広がります。深く分け入り撮るほどに新しい課題が湧いてきました。

こんな事を続けるうちに、白山は私にとって、本当に大事な存在に変わっていきました。

そうして、一昨年、3年ぶりに第3回目の個展を、大阪の富士フォトサロンという会場で行うことができました。実は、私が山の写真に興味を持ったのは、この富士フォトサロンで見た写真がきっかけです。ここで個展を開くことが私の目標になっていました。
この富士フォトサロンで個展を開き、作品を鑑賞する人を見て、「人に見せることができる作品がそろったな」と実感できました。そして、写真集を出版することを決めました。

第3回目に連続して石川県小松市と金沢市で第4、5回の個展を終えてから、出版のための活動に入りました。


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