雄谷源流 1999年

・小松市民ギャラリー(石川県小松市)
・1999年9月17日〜21日

・金沢スカイビル(石川県金沢市)
・1999年10月13日〜18日

ごあいさつ

この個展は、白山山系北部の手取川支流、雄谷源流の狭い範囲をテーマとしています。

雄谷源流は登山道が整備されておらず、容易に人を寄せ付けません。そのためか、白山系でも手つかずの自然が残されている、非常に貴重な地域となっています。

一方、通称「白山トンネル」と呼ばれる土木工事計画が、情報公開されないまま進められています。ルートさえ明らかにされていませんが、雄谷の下を通るルートも予想されています。

私はこの雄谷源流の自然に魅了され、様々な困難を克服しつつ撮影を続けてきました。そして今、白山トンネルのことを思うと、胸が締めつけられるように傷みます。

多くの人にとって、直接この地域の自然に接することは困難ですが、不可能ではありません。そればかりか、困難であるほど結果に対する価値は大きくなると思います。観光バスやロープウェイで乗り付けて、エアコンのきいたホテルの窓から自然に接する?のとは、全く異質の価値がここにあります。この価値を手に入れる夢と権利は、これから生まれる子供たちも含めて、全ての人に平等にあります。

雄谷源流のすばらしい自然を紹介できたら、白山トンネルをはじめとした開発行為についても考えていただけるかと思い写真展を計画しました。

木村芳文















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