白山写真ギャラリー

サラリーマン写真家 2001/10/16

この文章は、朝日新聞石川版のコラムを5回連続で連載した際の、オリジナル原稿です。
掲載記事 2001年9月13日 金沢アンダンテ (3)サラリーマン写真家

入社一年ちょっとにもかかわらず、今年いっぱいの有休が残り4日になりました。また、帰宅する時間はかなり早いほうです。

自称写真家の私ですが、別に職業は持っています。この仕事を全うしながら写真家としての活動を続けるには、それなりの苦労と考え方が必要です。

休みの日は、ほとんど撮影に出るので、その他の事は、全て平日に片づけます。

7時に会社から帰ってきて晩飯が八時に終わったとしても、撮ってきた写真の整理や次の撮影の計画や準備、作品展の計画などの他、家庭内の雑事をしているうちに3時間くらいはすぐに経ちます。それから風呂にはいると12時も近く、寝る時間になっています。

ここ1年以上、ずっとこんな調子です。テレビを見るのも1ヶ月1回くらいです。

こんなわけで、残業や休日出勤はできるだけ避け、同僚とのつき合いも最小限にして一刻も早く帰宅するようにしています。金曜日の飲み会には出ません。こんな私を、つきあいの悪い奴だとか、社会に順応できない人間だとか思う人はいるようです。極端な場合には、私を秩序を乱す悪者だと決めつける人もいます。

反対に、親切に、「そんなことをしていたら、この社会ではやっていけないよ。」と、親身になって忠告してくれる人もいます。しかし皮肉なことですが、私のやり方ではやっていけないという考えを持つ人が多いほど、本当に私はやっていけなくなるのだと思います。

今までこのようにして、多い時は年間90日以上、白山山系を歩いてきました。

現実の社会では、独自の価値観に従って生きようとすると、色々な障害に出会います。

賛同できない行動や考え方をする人でも、認めて許すことのできる社会であれば、様々な価値観を持った人が共存できると思います。

そんな社会になれば、男女の機会均等だとかの問題も、自然と解決するのではないでしょうか。


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